その不安は、決して気のせいではありません。
- 「最近、帰宅のタイミングが知られている気がする」
- 「別れた相手からの連絡が止まらない」
- 「家の前に知らない人が立っていることがある」
- 「SNSの投稿を見た後に、不自然な連絡がくる」

そんな違和感を抱えたまま、毎日を過ごしていませんか?
ストーカー被害は、外からは見えにくく「考えすぎかもしれない」「騒ぎ立てるのは申し訳ない」と、ご自身を責めてしまう方も少なくありません。しかし、あなたが感じている「怖い」「おかしい」という直感は、命を守るための大切なサインです。
長年にわたりストーカー被害の調査・対策に携わり、数多くのご相談に寄り添ってまいりました。お話を伺うだけでも心が少し軽くなる方がいらっしゃいます。
2025年時のストーカー問題
「大げさかもしれない」
「自分が我慢すれば済むかもしれない」
「警察や探偵に相談するほどではないかもしれない」
と、ご自身の不安を押し込めてしまう方は少なくありません。
しかしストーカー被害は、被害者が遠慮したり曖昧にやり過ごしたりすることで自然に収束するとは限りません。むしろ最初は小さく見えた違和感が、接近と監視・執拗な連絡・名誉毀損・住居付近への出没・位置情報の追跡へと段階的にエスカレートしていくことが大きな特徴です。
ストーカー被害に悩む方にとって必要なのは、単なる「様子見」ではなく状況を客観的に整理して証拠を残して、身の安全を確保しながら適切な機関に繋げることだと考えています。あなたが感じている怖さには意味があります。今起きていることを整理するところから始めてみてください。
この記事の目次
ストーカーとは何か
ストーカー規制法とは?
平成12年5月18日、第147 回通常国会において「ストー力ー行為等の規制等に関する法律(ストー力ー規制法)」として成立し、11月24日から施行された法律です。この法律は、ストー力ー行為を処罰するなど必要な規制と、被害者に対する援助などを定めており、あなたをストー力ー行為の被害から守るためのものです。
ストーカーとは、特定の相手に対して恋愛感情その他の好意の感情、またはそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情から、つきまといや待ち伏せ、監視、連絡の強要などを繰り返し行う者を指します。しつこい連絡では済まされない、反復性と執着性をもつ危険行為です。
恋愛感情、好意、親密になりたいという欲求、それらが満たされなかったことへの怨恨や支配欲などが背景にあります。その延長として、つきまとい・接触の要求・監視・威圧・名誉毀損・性的羞恥心を害する言動、位置情報の追跡などを反復して行う危険性があります。

日本ではこれらの行為を規制するために「ストーカー行為等の規制等に関する法律」が制定されて、被害者への援助措置と共に行為者に対する警告・禁止命令・刑事罰の枠組みが整備されています。この法律の重要な点は、ストーカー被害を単なる人間関係のこじれや恋愛トラブルとしてではなく、個人の身体、自由、名誉、住居の平穏、行動の自由を侵害する危険な行為として捉えていることです。
つまり、問題の本質は「好かれている・嫌われている」ではなく、相手の意思に反して接触・監視・圧力・恐怖の付与が繰り返されていることにあります。

ストーカー被害は、元交際相手や元配偶者との間だけで起きるものではありません。面識の薄い相手、職場や学校で関わりのあった相手、SNSを通じて知り合った相手、一方的に親密感を抱いた相手など関係性は多様です。
警察庁も、交際中の相手だけでなく、交際を断った後や離婚後の相手、さらには「誰か分からないがつきまとわれている気がする」というケースについても危険性があるとして相談を呼びかけています。
ストーカーとして問題になる行為の10種類
被害者が「怖い」と感じる行為の多くは、すでに法的な問題になり得ます。
現在、ストーカーとして問題になる典型的な行為は10種類の型として整理されています。被害者側から見ると「こんなことまで相談していいのだろうか?」と思ってしまう内容も含まれますが、実際にはその違和感の積み重ねこそが危険信号です。
1~10の分類を見ていきましょう。
①つきまとい・待ち伏せ・見張り・うろつき
自宅先、勤務先、学校先、通勤経路、よく行く店舗など、被害者が普段いる場所に繰り返し現れる行為です。この段階では、行為者は「偶然に会っただけ」「心配して近くにいただけ」などと装うことがあります。
しかし被害者にとっては、行動範囲が読まれていること自体が強い恐怖になります。特に、帰宅時間や生活リズムが把握されている兆候がある場合はすでに監視や尾行が始まっている可能性があります。

②監視していると告げる行為
「今日は帰り遅かったね」
「昨日の服、似合っていた」
「今○○駅にいるでしょ」
といったように、見ていたこと、知っていることをあえて伝えてくる行為です。
これは直接の暴力がなくても被害者の行動の自由を著しく萎縮させます。生活全体が監視されている前提に変わってしまい、通勤や買い物といった外出や交友関係にまで支障が及びます。

③面会・交際・復縁などの要求
拒否しているにもかかわらず、会うこと、話すこと、交際の再開、謝罪の受け取り、贈り物の受領などを何度も求める行為です。
一見すると「お願い」や「話し合い」に見えることもありますが、相手の拒絶が示されている以上、それを繰り返すことは支配と圧力の一種です。
特に元交際相手のケースでは「一度だけ話してほしい」「誤解を解きたい」「最後に会ってほしい」といった文言が使われやすい一方、実際にはその最後が終わらず、接触の口実が増えていきます。

④著しく粗野または乱暴な言動
大声で怒鳴る、脅す、罵倒する、ドアを叩く、物に当たるなど、威圧によって相手を服従させようとする行為です。
これは身体的暴力の直前段階として現れることも少なくありません。
相手が感情を爆発させやすい、怒りを抑えられない、拒まれると激昂するタイプである場合、被害者が「次は何をされるか分からない」と感じるのは当然でありその予感を軽視してはいけません。

⑤無言電話・連続した電話・手紙・メール・SNSのメッセージ
無言電話、着信の連打、長文メッセージ、SNSのダイレクトメッセージ(DM)、コメント欄への執拗な書き込みなどです。
被害者が反応しないほど回数や文面が過激になることがあります。
「返事がない=もっと送らなければ」という歪んだ思考により、日常生活そのものが通知や着信で侵食されていきます。拒否しているのに毎日何十通も送るような行為は、処罰対象になり得ると案内しています。

⑥汚物・不快物の送付
汚物、動物の死骸、不快な物品、気味の悪い手紙、意味不明な贈り物などを送りつける行為です。
この種の行為は被害者に対する嫌悪・支配・恐怖の演出という性質を持ち、行為者の攻撃性が表面化しているサインでもあります。
物理的な距離が離れていても、「自宅や職場にまで到達できる」という事実が被害者の安心感を大きく損ないます。

⑦名誉を害する行為
インターネットの掲示板、SNS、口コミサイト、勤務先への連絡などを通じて、被害者の社会的評価を傷つける行為です。
近年は、匿名アカウントや複数アカウントを使った誹謗中傷、なりすまし投稿、勤務先や家族への虚偽通報など、オンラインとオフラインを組み合わせた二次被害も増えています。
被害者は相手からの直接的接触だけでなく、社会生活の場そのものを壊される不安にさらされます。

⑧性的な羞恥心を害する行為
性的な言葉を執拗に送る、わいせつ画像を送付する、性的な噂を流す、性的画像を掲載・送信するなどの行為です。被害者の羞恥心や尊厳を傷つけるだけでなく職場や学校、人間関係にまで深刻な影響を及ぼす点に悪質性があります。
被害者が「恥ずかしくて相談できない」と黙ってしまうことを見越して、行為者がさらにエスカレートすることもあります。自身の裸の画像などをリベンジポルノとして悪用されるケースも大きな問題です。

⑨GPS機器を用いた位置情報の取得
本人の同意なく位置情報を取得する行為です。
スマートフォンのアプリ、アカウント連携、共有した設定の悪用、車両に仕掛けた機器など手段は多様化しています。無承諾に位置情報を取られていると行動が読まれるだけでなく、「どこに逃げても把握される」という強烈な恐怖や無力感にもつながります。

⑩紛失防止タグの取り付け
車などへのGPS機器の取り付けもそうですが、見知らぬ内にカバンへの紛失防止タグを潜ませる行為(所持品への追跡機器の混入)も危険です。
これは見張りの延長ではなく、見えない追跡のインフラ化とも言える行為です。警察庁は、GPS機器などに加えて紛失防止タグを用いて位置情報を取得する行為も規制対象に加わり法律が強化されています。

ストーカーの行動パターン
多くの事案は、突然深刻化するのではなく、段階を踏んで危険度を上げていきます。
ストーカー行為の恐ろしさは最初から露骨な暴力として始まるとは限らない点にあります。むしろ、当初は「連絡が多い」「たまたま会う」「SNSを見ているようだ」という単独では説明がつきそうな行動から始まり、やがてそれらが重なり合って被害者の生活空間全体を包囲するように進行していきます。
危険性があるのは、
- 交際中から相手が行動を細かく知りたがる
- 自分の思い通りにならないと怒る
- 拒否しているのに電話やメールを続ける
- 一方的に近づいてくる
- 周囲の人に連絡する
といった、行動などを危険性判断のポイントとして示しています。
被害の進み方はおおむね以下のような流れを辿ることが多くあります。
第1段階
観察・情報収集
SNS閲覧、生活圏の把握、共通の知人からの情報収集、帰宅経路の特定など、被害者がまだ明確な加害を認識しづらい段階です。
第2段階
接触
電話、メール、DM、贈り物、偶然を装った接近などが始まります。ここでは「好意」や「謝罪」が表に出ることが多い一方、実際には拒絶を受け入れていません。
第3段階
執着の固定化
被害者の拒否が明確になっても、行為者は理由を求め続け、返信や面会を強要し、接触の口実を増やしていきます。
第4段階
威圧・報復
連絡の内容が攻撃的になり、怒声、脅し、名誉毀損、勤務先や家族への接触などが始まります。
第5段階
侵入・直接危害
住居付近への常習的出没、侵入、器物損壊、待ち伏せ、身体的危害へと発展する危険があります。
ポイント
被害者が「まだ何もされていないから」と思っている時期こそ、証拠化と安全確保が重要です。重大事件の多くは後から振り返ればすでにその前段階がいくつも出ていたという形をとります。
今のうちなら相談できる段階で動くことが、最も大きな防御になります。
ストーカー加害者の類型
同じストーカーでも、動機も危険性も一様ではありません。
ストーカー加害者は、対象との関係性、動機、精神病理性の有無などから、複数の類型に整理されてきました。日本語では表現に若干の揺れがありますが、よく参照されるのは、拒絶型、親密希求型、無資格型、憎悪型、略奪型といった分類です。東京大学の論考や臨床系解説でもこれらの類型が紹介されています。

拒絶型
もっとも典型的で、かつ危険度が高いとされるのが、元恋人・元配偶者・別居中の配偶者など、過去に親密な関係があった相手への執着です。
このタイプは、復縁願望と怒り・報復感情が混在しやすく「もう一度やり直したい」と「許せない」が短期間で入れ替わります。謝罪や愛情表現の直後に脅しや怒りが現れることもあり、被害者は対応の予測がしにくくなります。別れ話や離婚、接触拒絶の直後は特に危険が高まりやすい局面です。

親密希求型
実際には深い関係がない、あるいは交際関係に至っていない相手に対して一方的に特別な結びつきがあると信じ込むタイプです。
「本当は気持ちが通じている」「周囲が邪魔しているだけだ」といった解釈をしやすく、拒否の明確なサインすら照れや試し行為として読み替えてしまうことがあります。被害者から見ると、面識が乏しい相手ほど行動原理が理解しづらく強い不気味さを感じやすい類型です。

無資格型
相手との距離感をつかむことが苦手で、適切な求愛・関係形成ができず断られても接近をやめられないタイプです。
悪質性が低いと誤解されることがありますが、被害者からすれば恐怖や迷惑の大きさは変わりません。本人に悪気が薄い分、周囲も深刻さを見誤りやすく放置されやすい面もあります。

憎悪型
恋愛感情というよりも、被害者に対する不満・屈辱感・被害者意識から報復することが中心のタイプです。
「自分は侮辱された」「不当に扱われた」という思い込みから、長期にわたり嫌がらせや名誉毀損を続けることがあ

略奪型
性的加害や支配を目的に、観察、尾行、接近を行うタイプです。
被害者との関係形成よりも自らの欲求充足が中心にあり、潜行性が高いことが特徴です。行為が表面化した時点で危険度が高い場合もあり単なる迷惑行為として扱うべきではありません。
これら類型はあくまで分析の枠組みであり、実際の事案では複数の特徴が混ざります。
大切なのは、相手はどのタイプかを当てることよりも、どのタイプであっても拒絶を受け入れず、接触を反復し、恐怖を与えている時点で対応が必要であるという点です。
加害者の心理的・精神的な背景
愛情が強い人ではなく、執着と支配が止まらない状態として見る必要があります。
ストーカー加害者については「未練があるだけ」「気持ちが強すぎるだけ」と受け取られることがあります。しかし再犯防止に関する調査研究では、加害者の背景は一様ではなく、被害者に対する強い執着心や支配意識を基盤としつつ、反社会性のようなパーソナリティ傾向、コミュニケーション上の困難、嫉妬や恋愛妄想など、さまざまな要因が関与していると整理されます。

ここで重要なのは、精神医学的な背景があり得るという事実が、加害行為を正当化する理由にはならないということです。背景が複雑であるほど被害者自身が説得や話し合いで解決しようとすることは危険です。加害者の中には自らの行為を「愛情」「正当な確認」「話し合いの要求」と解釈して、拒絶されている現実を受け入れられない場合があります。そのため、被害者がやさしく説明したり情に訴えたりしても、関係を切るどころか「まだ対話の余地がある」と誤認されて執着が補強されることがあります。
また、ケースによっては被害者やその親族などに対して強い殺意を抱くに至る場合があることも注意が必要です。これはストーカー被害を迷惑行為の一言で片づける危険性を示しています。被害者が置かれている状況は単なる不快さではなく、生活・人間関係・精神状態・生命身体の安全そのものが脅かされる局面になり得るのです。
ストーカー加害者に共通して見られやすいのは、
- 相手の意思より自分の感情を優先する
- 拒絶を拒絶として受け取れない
- 相手の行動を把握することに安心感を得る
- 返答がないことをもっと接触すべきサインと誤解する
- 周囲を巻き込んで接点を作ろうとする
といった特徴です。
このような相手に対して、被害者が1人で対処することは難しく第3者を介した対応として、記録化・法的な訴え・警察への相談手続きとの連携が必要になります。
性的指向・性的動機・関係性の見方
重要なのは指向そのものではなく、相手の意思を無視した執着・支配の構造です。
このテーマについては、とても慎重な表現が必要です。
まず明確にしておきたいのは、性的指向そのものがストーカー行為の原因なのではないという点です。異性間であっても、同性間であっても、あるいは恋愛関係が成立していなかったとしても、問題の核心は、相手の意思を無視して接触や監視や支配を続けることにあります。

ホームページ上でこの項目を設ける意義は、被害者の方が
「同性の相手だから相談しにくい」
「相手が女性だから大事にならないと思われそう」
「恋愛関係ではなかったのでストーカーとは言えないのでは」
と、相談をためらわないようにするためです。
実際には、恋愛感情、性的関心、所有欲、嫉妬、怨恨、支配欲、承認欲求などが複雑に絡み合って行動化することがあり、被害の成立は性別の組み合わせだけでは決まりません。
とくに注意したいのは、性的関心が強いケースでは、盗撮、わいせつメッセージ、性的羞恥心を害する画像送付、身体接触を狙った待ち伏せなどへ発展する危険があることです。これは単なる好意の問題ではなく、性的自己決定権や人格権の侵害であり、性犯罪の前段階として理解すべき場合もあります。
そのため、この項目では「どのような性別・関係性であっても、相手が怖いと感じる反復接触は軽視しない」「恥ずかしさや偏見への不安から相談を遅らせない」というメッセージを前面に出すのが適切です。
異性間・同性間・元交際相手・知人・面識の薄い相手・SNS経由の相手を問わず、すべてのご相談を同じ重みで扱います。
被害者が受ける影響
ストーカー被害は、心と体、仕事、人間関係、住環境のすべてを蝕みます。
ストーカー被害の深刻さは、直接的な身体被害の有無だけでは測れません。むしろ、被害者が長期間さらされるのは、「いつ来るか分からない」「見られているかもしれない」「どこまで知られているか分からない」という持続的な緊張状態です。この状態は、心身に強い負荷をかけます。

精神面では、不眠、過覚醒、動悸、外出への恐怖、通知音への過敏反応、突然の涙、集中力低下、抑うつ、不安障害、PTSD様症状が起こり得ます。仕事や学業では、集中力の低下、遅刻・欠勤、休職、転職、退学の検討に至ることもあります。家族や同僚への迷惑を恐れて孤立し、相談できる相手が減ることも珍しくありません。
さらに、住居の安全感が損なわれることの影響は非常に大きく、自宅にいても休まらない、カーテンを開けられない、郵便受けを確認するのが怖い、エレベーターや駐車場に行けないなど、日常の基本動作そのものが“危険行為”に感じられてしまうようになります。これは決して気の持ちようではなく、長期の恐怖刺激にさらされた人の自然な反応です。
だからこそ、ストーカー対策では、単に相手の行動を止めるだけでなく、被害者の生活をどう取り戻すかという視点が欠かせません。証拠の確保、警察相談、住居・通勤経路の見直し、勤務先や学校との連携、必要に応じた弁護士・カウンセラーとの連携まで含めて考える必要があります。
ご自身でできる初期対策
いちばん大切なのは、「我慢」ではなく「記録」「共有」「安全確保」です
被害を受けているとき、多くの方はまず「刺激しないようにしよう」と考えます。もちろん不要な接触を避けることは大切ですが、それだけでは不十分です。初期対応として重要なのは、後から第三者が見ても分かる形で事実を残すことです。
記録を残す
電話の着信履歴、メール、SNSのメッセージ、DM、コメント、プレゼント、手紙、不審人物の目撃日時、自宅周辺での異変などを、日付・時間・場所付きで残してください。スクリーンショットは相手のアカウント名、URL、投稿日時が分かるように保存するのが望ましいです。これは、警察相談や法的手続の際に非常に重要になります。
返信しない・会わない
警視庁は、別れの伝え方や個人情報管理には注意が必要だとしつつ、被害が起きた場合は最寄りの警察署に相談するよう案内しています。被害が明確になった後は、被害者が“最後の説明”をしようとするほど、相手に接点を与えることがあります。会う、電話に出る、長文で説得する、といった行為は避けるべきです。
生活情報を漏らさない
警視庁は、住所・氏名の記載のある郵便物をそのまま捨てないこと、窓に厚手のカーテンを引くこと、インターネット上で個人情報や顔写真を公開しすぎないこと、SNSで知り合った相手に安易に個人情報を渡さないことを勧めています。小さな対策のようですが、実際には行動把握の入り口を断つ効果があります。
周囲に共有する
家族、信頼できる友人、勤務先の上司や総務担当、学校関係者などに事情を伝え、見かけた場合の対応方針を共有してください。警察庁の改正案内でも、援助の主体に勤務先や学校が加わったことが示されており、被害者支援は本人だけで抱えるものではなくなっています。
すぐ相談する
「相手が誰か分からないがつきまとわれている気がする」場合も危険だと、警察庁は明言しています。加害者が特定できていないことは、相談を遅らせる理由ではなく、むしろ早く相談すべき理由です。
探偵社にできること
不安を証拠に変えることが、次の一手を可能にします。
ストーカー事案で被害者が最も苦しむのは、自分の怖さが客観的に伝わりにくいことです。
「偶然かもしれない」
「証拠がない」
「警察に説明しても、まだ弱いと言われるかもしれない」
この壁を越えるために、探偵社が担う役割があります。
- 行為の実在を証拠化する
待ち伏せ、つきまとい、監視、住居付近の出没、勤務先周辺への接近などを、張り込み・尾行・撮影によって客観的資料にします。被害者本人のメモだけでは伝わりづらい反復性や悪質性も、写真・動画・時系列報告として整理することで、警察や弁護士に共有しやすくなります。 - 相手方の行動パターンを把握する
どの時間帯に現れるのか、どこを拠点にしているのか、被害者のどの行動を把握しているのかなどを調査することで、防犯対策を具体化できます。闇雲に怖がるのではなく、危険時間帯・危険地点・危険導線を絞り込めることが、生活再建の第一歩です。 - GPS・盗撮・盗聴の確認
位置情報の悪用や監視行為が疑われる場合、車両、鞄、スマートフォン周辺、室内機器などを確認し、必要に応じて不審機器の発見調査を行います。警察庁が案内するように、GPS機器や紛失防止タグの悪用は現実の被害として法規制の対象になっています。 - 警察相談・法的対応の前提資料を整える
被害の経緯、日時、場所、相手の行動、接触方法、証拠の一覧を整理し、相談先ごとに伝わる形に整えます。被害者ご本人は恐怖や混乱の中で時系列をまとめることが難しいことが多いため、第三者が整理すること自体に大きな意味があります。 - 心理的負担を分散する
ストーカー被害では、常に自分で警戒し続けなければならない状態が心を削ります。調査や整理を専門家に委ねることで、被害者がすべてを一人で抱え込まなくて済むようになります。
私たちは単に調査をするだけでなく、被害者が安全と日常を取り戻すための伴走者でありたいと考えています。
当社が大切にしている姿勢
ストーカー被害のご相談では、相談者の方がすでに多くのことを我慢しています。
「こんなことで相談していいのか」
「証拠が少ないのに迷惑ではないか」
「私が悪かったと思われないか」
そうした不安を抱えたままご連絡くださる方がほとんどです。
事実確認や調査提案の前に、まず安心して状況を話せることを大切にしています。被害の深刻さは必ずしも被害者自身がうまく言語化できるとは限りません。話が前後する、細部が曖昧になる、泣いてしまう、怒りが先に出るなど、それは当然の反応です。その混乱した状態を含めて受け止めて必要な情報を一緒に整理します。
探偵社に相談することは「調査を依頼すること」と同義ではありません。
今すぐ調査が必要なのか、まず住居の防犯の見直しが必要なのか、警察相談が先なのか、証拠の保全を先にするべきなのか ―― 状況に応じて順序は変わります。依頼を急がせるのではなく、被害者にとって最も安全で現実的な選択肢を一緒に考えることを重視しています。
初めての方でも、無理なく進められるよう丁寧にご案内いたします。
ストーカー規制法のポイント
被害者を守るために、警告・禁止命令・処罰の仕組みが設けられています。
ストーカー規制法の目的は、ストーカー行為を処罰することだけではありません。法律第1条では、必要な規制を行うとともに、相手方に対する援助の措置等を定めることによって、個人の身体・自由・名誉への危害を防止し、生活の安全と平穏に資することが明記されています。つまり、法の中心には「被害者保護」があります。
同法では、つきまとい等や位置情報無承諾取得等を反復して行うことが「ストーカー行為」とされ、罰則も定められています。
- ストーカー行為をした者:1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金
- 禁止命令等に違反してストーカー行為をした者:2年以下の拘禁刑または200万円以下の罰金
- 禁止命令等に違反した者:6月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金
と規定されています。
また、警視庁は、被害を受けたら最寄りの警察署に相談し、警察は被害防止のアドバイス、調査、相手方への注意・警告や禁止命令、必要に応じた捜査・逮捕を行うと案内しています。つまり、相談すること自体が「大ごとにする」ことではなく、被害が深刻になる前の正当な防御行動です。
ストーカー規制法に関する重要な判例
法律がどのように解釈されて、実際にどのような行為が問題になってきたのでしょうか。
以下は代表的な裁判例で、事案の背景と判断のポイントを解説します。
①最高裁判所 平成15年12月11日 判決
ストーカー規制法は憲法に違反しないとされた重要な判例

ストーカー規制法が、表現の自由や個人の自由を過度に制約しており憲法違反ではないかが争われました。同法が規制しているのは社会的に逸脱したつきまとい等の行為で、被害者の身体・自由・名誉を守るために必要かつ相当な範囲の規制であると判断しました。
この判例は、ストーカー規制法が単なる道徳的なルールではなく、人権保障のために正当化される法的規制であることを最高裁が明確に認めた点で非常に重要です。
②名古屋地方裁判所 平成13年9月6日 判決
待ち伏せと執拗な電話が悪質と判断、懲役1年となった事例

元交際相手の女性に対して自宅への押しかけや待ち伏せを繰り返し、さらに自宅電話や携帯電話へ合計26回もの執拗な電話をかけ続けた事案です。
裁判所は、行為の態様が執拗かつ常習的で悪質であると評価して懲役1年の刑を言い渡しました。この事例が示しているのは、直接の身体暴力がなくても住居付近への接近と連続電話の反復が十分に刑事処罰の対象となりうるということです。
③東京高等裁判所 平成24年1月18日 判決
「見張り」「押しかけ」の解釈を広く認めた実務上重要な裁判例

「見張り」と言えるほど長時間の観察をしていないのではないか、「押しかける」には相手がその場に実際にいる必要があるのではないかという点が争われました。
短時間の観察でも目的が達せられることはありうるとして、観察時間が短いだけで「見張り」に当たらないとは言えないと判断しました。
行為者が「少し見ていただけ」などと弁解しても、被害者を不安にさせる接近行為であれば法的評価を免れないことです
④福島地方裁判所 平成13年10月11日 判決
メールの反復送信がストーカー行為として有罪とされた重要事例

出会い系サイトを通じて知り合った相手に対して、約3週間にわたり多数の電子メールを送信して自宅近くで待ち伏せした事案です。
被害者に著しい不安を覚えさせる方法で行われていたと認定してストーカー規制法違反として有罪としました。電子的手段による反復接触も重大な侵害であることを初期段階から明確にした点に意義があります。現在ではメールだけでなく、SNSやメッセージアプリにも同様の考え方が及ぶ実務の土台になっています。
⑤最高裁判所 令和2年7月30日 判決
GPSによる位置情報が当時の「見張り」には当たらないとされた事例

元配偶者の車にGPS機器を取り付けて位置情報を取得した行為が、「住居等の付近において見張り」に当たるかが争われました。当時の規定ではこれを「見張り」に含めることはできないとして無罪とした原判断を維持しました。
「GPS追跡が違法でない」と誤解されがちですが、この判決の重要性はむしろ逆です。現実の被害実態に法が追いついていなかったことを司法判断が明らかにして、その後の法改正を促した点にあります。
⑥佐賀地方裁判所 令和4年2月17日 判決
法改正前事案において、GPS取付行為を準備行為とみて無罪とした事例

元交際相手の車にGPS機器を取り付けた行為について、佐賀地裁はそれが当時の法のもとでは被害者の通常所在する場所への押しかけや見張りには当たらず、動静観察のための準備行為にとどまるとして無罪としました。
この裁判例もまた法改正前の限界を示すものであり、現在の法制度理解では「だから問題ない」と読むのではなく、こうした抜け穴を埋めるために現在の規制が強化されたと読むべきです。
ご相談の流れ
- お問い合わせ
お電話やメールなど、ご都合のよい方法でご連絡ください。
「まだ依頼は決めていない」「これがストーカー被害か分からない」という段階でも問題ありません。 - ヒアリング
起きていること、相手との関係、いつから始まったか、どのような証拠があるか、不安に感じている点は何かを整理します。必要に応じて警察への相談歴や、避けたい接触の種類なども確認します。 - 状況判断と方針提案
・まず警察相談を優先すべきケース
・先に証拠収集を行った方がよいケース
・住居・車両の確認が必要なケース
・勤務先や学校との共有を急ぐケース
などを見極めて、現実的な対応方針をご提案します。 - 調査実施
ご契約後は必要な範囲で張り込み、尾行、証拠撮影、危険導線の把握、相手方の接触状況確認などを実施します。無用な過剰調査は行いません。 - 報告・今後の対応
調査結果を報告書としてまとめ、必要に応じて警察への相談、弁護士への相談など次の一手につなげます。
「証拠を取って終わり」ではなく、その証拠をどう活かすかまでサポートします。
よくあるご質問
被害が小さいのですが、相談してもいいですか?
はい。むしろ、深刻化する前の段階こそご相談いただきたいと考えています。警察庁や警視庁も、被害が深刻になる前に相談することを呼びかけています。
相手が誰か分からなくても相談できますか?
もちろん可能です。相手が不明であることは、相談をためらう理由ではなく、危険性を高める要素です。警察庁も、誰か分からないのにつきまとわれている気がする場合は強い不安と危険があるとして、すぐ相談するよう呼びかけています。
探偵に相談したことが相手に知られませんか?
守秘義務のもと、外部に漏れることのないよう厳重に取り扱います。ご相談方法や連絡時間帯についても、ご希望に合わせて配慮いたします。
警察に相談しても動いてもらえるか不安です
警察は相談先として非常に重要ですが、状況の伝わり方や証拠の有無で対応の進み方が変わることがあります。そのため、被害経過を整理し、客観資料を整えて相談することには大きな意味があります。
無料相談のご案内
ストー力ーは、時代と共により陰湿になり、1人で対処しようとしても簡単に解決できる問題ではありません。
被害が深刻になり、あなたの身に危険が及んでからでは手遅れです。
1日も早い解決の為に、私達が証拠を集めてストー力ーを撃退するお手伝いさせていただきます。
どんな些細なことでも構いません、1人で悩まずに、どうかお話を聞かせてください。
ストーカー被害は、被害を受けているご本人だけが「まだ我慢できる」と思ってしまいやすい問題です。
本当に大切なのは我慢の限界まで耐えることではありません。怖いと感じた時点で、相談してよいのです。「こんな内容でも大丈夫だろうか」「証拠が少なくてもいいだろうか」「相手が元恋人だから相談しづらい」そうしたお気持ちのままで構いません。
まずは、今起きていることをお聞かせください。
状況を整理して安全を守るために何が必要か、必要な証拠と対策をひとつずつ整えていきましょう。








