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探偵の調査実録【慰謝料請求された女】

結婚しているなんて知らなかった

美穂は、アパレル会社の広報部に勤務する26歳のOL。
仕事はほどほどに、明るく活発な女性で、プライベートでは友達と旅行や習い事をしたり、休みの日にはジムに通ったりと充実した日々を送っていた。
そんな充実した生活の中で、何か1つだけもの足りないことがあるとすれば、彼氏がいないことだろうか?特に思いを寄せる男性や気になる男性はいなかったものの、同じ部署の15歳も年上の上司に対しては、仕事ができる大人で憧れの存在ではあったが、彼の左手薬指には結婚指輪が光っていた。
美穂はそのことも重々踏まえて、不倫なんてもってのほかという思いもあり、恋愛感情を抱くことにはしっかりとストッパーがかかっており、あくまで憧れの存在であった。

そんなある日、美穂は取引先である会社へと打ち合わせに出掛けた。
その会社で担当者として紹介されたのが、祐司であった。
祐司は、グレー色のスーツをパリッと着こなして、黒髪短髪で高身長の筋肉質でみるからに男らしい体育会系の好青年。そんなに祐司にパッと見、美穂は威圧感も感じたりしたのだが、祐司が挨拶をするときに笑った左側にできるえくぼが、とても柔らかい印象を与える30歳であった。打ち合わせをしていても、ハキハキとしっかりと要点を押さえて話したり、こちらが何を求めているかも瞬時に理解して分析できることから、すぐに仕事ができる人だなということはわかった。
数時間の打ち合わせだったものの、美穂には新たに恋する出会いの予感がトキメいていた。
自然と仕事以外のことでも連絡を取るようになり、2人っきりで会うことも多くなった。
しかし何回デートをしても、深い関係になってからも祐司からは、はっきりと付き合おうと言われていなかったことが不安だったものの、久々の恋愛で楽しい日々に満足していた美穂は、そのことについては「祐司は恥ずかしがり屋だから、きっと口に出しては言えないんだろう」と解釈して、そんなに深く追求することもなかった。

ある日の打ち合わせで取引先を訪れていたとき、祐司の姿が見当たらなかったので取引先に聞いたところ・・・
「あーあいつは、今日は娘さんの参観日だとかで休みですよ」と。
それを聞いた瞬間、美穂は、血の気が引いてトイレへと駆け込んでいた。
取引先からの帰り道、すぐ祐司に連絡を取ったものの、携帯電話は留守番電話設定になっていて通じなかった。留守録に電話くださいとだけメッセージを入れておいた。すると、その日の夜に祐司から連絡がきた。
話し合っても納得できない部分も多々あったが、奥さんとはうまくいっておらず、別れる意思もあることを確認して、好きになった思いを今更とめることもできず、このまま付き合いを続けていくことにした。真実を話さなかった祐司のことも、お前を好きになってしまったから、どうしようもなかったと言われて、許してしまった。今後も祐司と付き合っていくということは、不倫になるということも理解していたのだが、それでも好きという気持ちは変えることができなかった。
葛藤のなか、色々と思い悩む日々を過ごしていたある日。

会社から帰って郵便ポストをチェックしていると、見慣れぬ宛名で1通の封書が届いていた。
中には白い便箋が入っていて、それらは祐司の妻・愛子からの慰謝料請求を告げる内容証明郵便であった。
「不倫の慰謝料として金額200万円を請求する」と。
驚きと衝撃を受けて、便箋を持つ手は震えてどうしようかとうろたえていた。どうしたらいいかわからない中でも、まずは祐司に連絡をしなくてはと思い携帯電話を手に取りコールするものの、コール音が響き渡るだけで応答することはなかった。
「奥さんから慰謝料請求の内容証明が届きました。連絡ください」とだけメールした。
それから2日後にやっと連絡がきたものの、祐司は「妻と話してみる。慰謝料の事も取り下げるように言っておくから」と言うだけで、その後、何度と連絡しても応答がない日々が続いた。
祐司の対応はどっちつかずで、いい加減で怒りをおぼえずにはいられなかった。

世間で言う不倫や慰謝料というのは知っていたけど、まさか本当にこんなことが起きる事態になるなんて、どうしてよいかわからず困り果てていた。
200万円なんて本当に払わなければいけないの?
妥当な慰謝料請求額を算出してもらうには、裁判所での判断に委ねることも考えられるけど、裁判沙汰なんてかなりの抵抗があるし。
そもそもどうやって不倫のことを知ったの?

妻・愛子からの連絡は支払いを請求するだけで、こちらの言い分は聞いてもらえず追い詰められる日が続いた。
そして、調停にも何度か呼ばれて事実確認を行うのだった。
美穂は不倫について、奥さんを精神的に苦しめたことは反省しており、一括では払えないものの、請求に応じて支払っていくことで決着がついた。
久々の恋愛は、あれだけ想って信頼していた人物が、いざというときには不誠実な人間になるんだというショックと同時に、金銭的にも大きな代償となったのであった。

芸能人・有名人の不倫ニュースでは、不倫の代償とは仕事のみならず周りの人物に対しても多くの信用を失ってしまうことが多いのが現状。
これは我々一般人に関してもそうで、金銭的問題、精神的問題と大きな荷物を抱え込んでしまうことになります。今件では、相手方(美穂)が不倫の事実を認めたことが前提条件となります。美穂は自責の念を感じて、慰謝料請求に応じたとも言えます。
しかし美穂は、祐司が結婚していることを知らなかった、という事実もあります。

浮気・不倫相手に慰謝料を請求できる条件は?

・浮気、不倫相手に「故意・過失」があること
・不貞行為によって、あなた(愛子)が「権利の侵害」を受けたこと

美穂は「祐司が既婚者であることを知らなかった」ことから、「不貞行為に対する故意がなかった」と反論できます。
ですが、たとえ本当に知らなかったとしても、既婚者だと知るきっかけはあったと思われてしまいます。交際期間が長ければ長いほど、祐司のことで気に留まることが浮き彫りとなることもあります。
「祐司はずっと付き合おうって言わずに、なんとなく関係が続いていた」など。
そのため、既婚者であることを知らなかったことに対して責任がある(=過失)と追及されて、慰謝料を請求できるケースもあるのです。
または、2人でデートしている様子を撮影した写真などがあれば、追い込まれるでしょう。

不倫の事実を認めなかった場合、何が要点となるの?

・相手(愛子)は不倫の事実をどこまで知っている?
・責任を負う前提となる「故意または過失」はあった?
・慰謝料を支払うか、またはいくらまで支払う?
・どんな方法(示談書の取り交わし等)で相手と協議を進めていく?

不倫の裁判または調停では、証拠が何よりも大事なキーアイテムとなります。
不倫をしている方も、不倫をされている奥様や旦那様も、お互いに攻めたり守ることもできます。美穂と愛子は、お互いにどんな証拠を持っているのか。
探偵はその証拠を集められる存在ですので、パートナーの行動にふと疑問を感じたときなど、何なりとご相談ください。

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