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いじめ訴訟の進展は – 大津市いじめ自殺事件から6年

大津市立中学2年の男子生徒(当時13歳)がいじめを苦に2011年10月に自殺した事件で、当時の加害同級生3人らに損害賠償を求めた訴訟の弁論が今年11月にありました。
自殺した生徒の遺族と大津市との間では和解が成立しましたが、加害同級生との間では「いじめの有無」に関して現在も争いが続いています。加害同級生に謝罪の言葉はなく(内1人は謝罪)、いじめを認める発言もありません。
今回の弁論では生徒の担任教諭も証言して、自殺した生徒が加害同級生から顔に落書きをされて周囲から笑われているのを見た時の心境を訊かれて、担任教諭は「気の毒だと思った」「そういうことはするなよと言ったと思う」と述べました。
当教諭は、生徒に加害同級生2人が暴力を振るっていた際には隣にいたが止めず「やりすぎんなよ」と笑いながら言っただけであり、世間からは非難されています。

いじめ自殺訴訟の例

1.いわき市中3いじめ自殺

1985年9月、福島県いわき市で、中学3年の男子生徒が首を吊って自殺した。
生徒の遺族は、自殺の原因は同級生からの暴力や金銭の強要などのいじめであるとして、学校設置者であるいわき市に対し損害賠償を請求した。福島地裁は、いじめが自殺の原因であると認めて、学校側の対応に過失があり、学校側の安全配慮義務違反であるとした。
そのうえで、家族の対応にも問題があったとして過失相殺を適用して、損害請求額の3割を遺族に支払うよう市に命じる判決が下った。

2.富山市中1いじめ自殺

1998年12月、富山県富山市で、中学1年の女子生徒がマンション4階の自宅ベランダから飛び降りて自殺した。
生徒の両親は、クラスでのいじめが原因で自殺に至ったとして、学校側の対応の過失を主張して合計2000万円の損害賠償請求を行った。判決では、クラスでのいじめが自殺の原因であるとは認めたものの、学校側には安全配慮義務違反はないとした。

3.北海道小6女児いじめ自殺

2005年9月、北海道滝川市の小学校で小学6年の女児がいじめを苦に教室で自殺を図り、重体に陥った後、翌年1月に死亡した。
被害女児の母親は滝川市と北海道に対して損害賠償請求を行った。その結果、札幌地裁で和解が成立して、和解調書には ” いじめ “ の事実認定、自殺の予見可能性の認定、第三者による調査実施の必要性などが和解条項に盛り込まれた。

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