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現代に続く大航海時代、航海士になって船の現在地を確認するWEBサイト「Marine Traffic」

現代からおよそ600年前の15世紀。
航海者マゼラン、征服者コロンブス、探検家ヴァスコ・ダ・ガマ・・・世界は大航海時代を迎えます。
羅針盤の発明、航海技術の発展により、人々は新たな交易ルートを、そして新大陸を探し求めて海へと飛び出しました。まだ世界地図は存在しておらず、4億人の人間は世界の姿、地球の形を未だ知らない時代です。

当時のヨーロッパ人にとっては、南半球や極東地域、そして大西洋を越えた先のアメリカ大陸は未知の世界でした。そのため、怪物が現れたり海が沸騰する危険な海域があると考えられたのも無理はありません。当時の航海は命がけで行う、未知への挑戦だったのです。

それから数百年が経ちました。
怪物がいるのではと考えられていたアフリカ大陸南端の海、バルトロメウ・ディアスの船団によって(ヨーロッパ人として初めて)発見された喜望峰周辺の海にも、現在ではこのように多くの船が航行しています。

アフリカ大陸南端の海である喜望峰

世界地図が完成した今、世界中の航行している船を地図の上から見ることができるのです。
以前にご紹介した地図上で飛行機の航空状況を見れるサイトの船バージョンのようなWEBサイト【Marine Traffic】(https://www.marinetraffic.com/)です。

船の現在地を確認するWEBサイト「Marine Traffic」

海域をワンブロックごとの区画に分けて緑色で表示し、航行している船の数を示しています。
地図をアップにすると、現在時間で航行している船の船名、位置、ルートを確認することができます。1000もの船が、世界中の海を航海しています。
その中で、日本の様子を見てみると・・・

日本海域における船舶の航行情報

さすが海洋国家!いたるところに船、船、船!ぎっしりと囲まれています。
一番多い緑色のマークはどうやら貨物船のようです。

日本の貨物船にっぽん丸

にっぽん丸を発見しました。
海運会社である商船三井のクルーズ客船です。東京湾を出て南西方向へ向かって行きます。青色のマークは旅客船のようですね。写真つきで船の詳細情報や航路も閲覧することができます。
にっぽん丸は神戸発着の日本一周クルーズの帰りでしょうか、東京から神戸へ向かっているところのようです。


どうやって船の情報を得ることができる?

この地図上に表示されている船は、全て船舶自動識別装置「AIS」(Automatic Identification System)を搭載しています。
これは、船舶の識別符号、種類、位置、針路、速力、航行状態及びその他の安全に関する情報を自動的にVHF帯電波で送受信し、船舶局相互間及び船舶局と陸上局の航行援助施設等との間で情報の交換を行うシステムです。AIS搭載船舶に海難情報や気象海象情報等を提供することにより、海難事故の未然防止を図ることが可能となります。飛行機に搭載されているADS-Bに似ていますが、AISは特定の船舶において搭載が義務化されています。

【AISの搭載義務がある船舶】
(1)国際航海に従事する300総トン以上の全ての船舶
(2)国際航海に従事する全ての旅客船
(3)国際航海に従事しない500総トン以上の全ての船舶

*国際航海・・・一国の港と他の国の港との間の航海。

SOLAS条約はタイタニック沈没がキッカケ?

AIS搭載義務化の大元は、2002年7月1日に発効された「1974年の海上における人命の安全に関する条約(SOLAS74)」第Ⅴ章にあります。SOLASとは英語表記でのthe international convention for the Safety Of Life At Seaを略した名称です。
1914年に初めて締結されましたが、この最初の条約は第一次世界大戦の影響で発効には至りませんでした。しかしその後も、1929年、1948年、1960年……と技術の進歩や航海の現状に伴い、締結、改正が繰り返されてきました。
この国際条約締結の契機となったのが、1912年に起こったあのタイタニック号沈没事件です。 絶対に沈まないと謳われた当時最大級の旅客船が氷山に衝突して沈み、多くの犠牲者を出し、この事件は世界に大きな衝撃を与えました。そして、国際的に船舶の安全性を確保しようとする気運を高めることにも繋がったのです。



今このときも、世界中の海で多くの船が航海を続けています。
探せぇ!この世のすべてをそこに置いてきたから。
あなたも海賊王に・・・いやいや、現代の大航海をその目で見届けてみてはいかがでしょうか。

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